「冬に舞う蚊」 サンモールスタジオ

teru10162011-01-09

15時〜 2700円 JACROW  
今回も上京の日程が先に決まり、観るものを探す。 以前観た柿喰う客を一番に決めて、その他はこりっちの評判の高いものから選んでみた。 劇団も役者さんも全て初見。 しつこい問い合わせにも大変丁寧にお返事いただき、かなりの好感触だった。 時間的にも完璧なタイミングで次の公演に行ける。 場所も初めてのサンモールスタジオ。 駅からかなり詳しい道順を教えていただき、迷うことなく劇場へ。 余裕を持って行けたので、晴天だったし、近くの公演でひなたぼっこなどしてみた。 子どもがいっぱい遊んでいる。 なんだか東京って感じがしないぞ。 地下にあるスタジオは4〜50人くらい入るかな〜 小さめの椅子がセットしてありそこまでぎゅうぎゅう詰めな感じはしなかった。 客層は老若男女さまざまで私くらいの人も大勢いたな。 さて、開演。 川住建設株式会社、営業部第一営業課に設計から移動になった富島哲平(立波伸一)は仕事の内容を知るにつれ愕然とする。 あからさまな談合、賄賂、パワハラ。 それを課長以下事務の女性までが黙認実行。 ずっとやってきたんだ、何がいけないんですかー? 第一営業課が会社を支えているんだ・・・ 悩んだあげく見積もりの資料を区の役員に持っていけといわれたものを実行せずに、より激しいパワハラにあう目に。 たまたま妻美幸(蒻崎今日子)の親の店が不渡りを出し、彼の財形貯蓄を貸すこととなり、絶対に会社をやめられない状況になってしまった。 土下座して謝る哲平を深夜まで働かせる上司。 妻にも帰りが遅いことを責められついに用意していた縄をとりだし・・  話は哲平が自殺してから妻が会社に対して告訴するまでの過程と自殺までの会社での様子が交互に演じられて、テンポが良くてそれでいてじっくりみせてくれた。 まっすぐで正直な哲平が死ななきゃならなかった現実に対してなんとか裁判で勝てそうな証言を社員から聞き出せたということが、物語として一筋の光明だったのだが、ラストの重さはなんだったのだろう。 私は妻が自分も殺人の加害者だったということを確認したからだと思ったんだけど。。。 違うかしら。 課長や課長代理、社員、派遣、取引先の社長、弁護士。。 みんな個性が際立っていて、素晴らしく上手だった。 設計の元同僚、橋本(竹下謙一)の嫉妬心が際立っていた。 好きな女性の隠し撮りした写真を哲平の机に置き、セクハラの犯人にも仕立ててしまう。 あと派遣の三橋(菊地未来)もまた極端に合理主義で感情のかけらも出さない。 まだ通風に苦しむ課長代理のほうが可愛いかったなw  しかし、現実って本当にこうなのだろうか。 正直者が損をするのだろうか。 蚊(モスキート)は何を象徴していたのだろうか。 私には難しすぎて答えは出ないが、サラリーマンにしても自営にしても世の中は厳しい。