「桜壽博多座大歌舞伎」 博多座

teru10162011-03-02

11時〜 9000円(半額チケット)  
「磯異人館」「義経千本桜 吉野山」「平家女御島 俊寛」主役の中村勘三郎丈が病気で休演となり、代役に中村橋之助丈、中村勘太郎丈をたてたもの。 歌舞伎界も若いところではいろいろあるな〜と思っていたけど、心労が我が同年代にも表れてきたのか、パワフルなイメージのある勘三郎丈の病気療養は気になるところではある。 しかし、博多座のHPでも申し訳ない、心配は御無用、回復次第必ずまた博多座にあがりたい!ということなので、それを信じて復帰を願うものだ。 歌舞伎は気持ちの余裕のあるときにしか行けないのだけど、2月の舞台にかなり感動したので、3月も行くことにした。 今回はイヤホンガイドを借りたのだけど、なくてもよかったかもしれない。 上演前にざっとパンフレットを読んでおくだけでも十分なシンプルな内容。 古典は難しい、という先入観を覆された。
「磯異人館」薩摩の国で起こった「生麦事件」の遺児兄弟が主人公。 兄の岡野精之介は誠実なガラス職人、弟の周三郎は血気盛んで上部の恨みを買い、薩摩藩での任を解かれ、同時に脱藩する。 精之介と琉球の王女瑠璃、周三郎と上司の娘加代とのそれぞれの悲恋もさることながら、最後まで弟を信じ、かばい、身代わりとなって自害した精之介の心中を思うと涙が出てしょうがなかった。 恋愛にせよ、仕事にせよ、全く不自由な時代のそれは今を生きる私たちには理解しがたいことではあるけれど、それだけに重い響きがあるものだと実感した内容であった。 これが歌舞伎? なんだか目からうろこである。
義経千本桜 吉野山」こちらはよく聞く古典。 その吉野山、道行の場面を上演。 春を表現したシンプルな舞台で浄瑠璃、三味線に合わせて演じる扇雀丈、橋之助丈を堪能。 うわ〜きれい。。。。 衣装も所作も華麗というほかない。 殺陣部分は舞踏のように優雅。 アンサンブル?のとんぼ(だったっけ)もお見事。 半額チケットなので2階後方ではあったけど、十分にその美しさを楽しめた。 お顔がよく見えないのが至極残念ではあったけど、双眼鏡ではばっちり拝めた。
「平家女護島 俊寛」全五段のうちの二段目ということ。 歌舞伎ってこんな部分を切り取っても楽しめるってのはすごいな。 勘三郎俊寛でないから見ないという友人がいたが、私には橋之助丈の俊寛も涙涙であった。 島流しにあっていた俊寛とその仲間たちは赦免を願い日々を過ごす。 仲間の成経は島の千鳥と恋仲となる。 彼女もいっしょに救うため、また自身の妻を殺された絶望心から、瀬尾太郎(憎たらしい役人)を斬り島に残る俊寛。 それでもあきらめきれずに船を追い始める俊寛の悲しさが胸に迫ってきた。
異人館で瑠璃役、俊寛で千鳥をやった中村七之助丈の色っぽいことか、玉三郎丈も素敵だったのだけど、彼よりもっと女性らしさを醸し出している感じがした。 歌舞伎は奥深い。 もっと観たいと素直に思う。でも! 半額でも9000円は高いよね、ほんと。。。 でも、一幕見券出てます。 ぜひ若い人にも見てほしい。 http://www.hakataza.co.jp/new/new_msg.php?no=442