「傷は浅いぞ」 甘棠館Show劇場

teru10162011-03-11

18時〜 500円 福岡大学学術文化部会演劇部
2011年3月11日、昼公演の最中に東北地方で大地震が起きた。 東北から関東にかけて地震津波による被害はみなさんもご存じのとおり。 まだ状況つかめぬまま夜公演をみて、上演前後に知り合いの観客たちと心配しあった。
作品は”柿喰う客”の中屋敷法仁。 彼のぶっとんだ作品を2つ見ていたが、これを学生が上演する?大丈夫かな、と思ってた。 そのちらしは見てのとおり大胆かつ挑発的。 のっけのセリフから、「あー柿だ」 超早口で長セリフをまくしたてる。 最初はおろおろしながら観ていたのだけど、だんだん安心できる感じに。 アイドル矢衾愛弓(坂牧好恵)はTV番組で鼻血を放出し、仕事がゼロに。 それに目をつけオファーを出してきた「電波ガールズ」のプロデューサー太刀花鞘花(野口夏菜)に対してマネージャーの一本槍官兵衛(熊本幸恵)は拒否反応を示すのだが、愛弓はやる気まんまん。 実は鞘花は元アイドルで暗い過去と恨みを背負っていた。 番組はまず大食い大会、それからサスケ。。 数々の罠をくぐりぬけた愛弓は服を脱ぎ捨てる、そこには・・・・ 中屋敷さんらしい大胆な作品で、あまり教訓的なところはないような気がしたけど、テンポよくてかなりおもしろかった。 盾林美矛(浦塚奈央子)の役回りや、ラストの実は愛弓は○○だった?というオチもわからなかったのだけど、考えるべしかな。 早セリフが特徴だけど、それをよどみなくこなしながら心情表現もしなければならないというハードな挑戦に4人の女優たちがいどんだ。 かなりスリムなボディではあったけど、あれだけ体当たりできるのは日頃の鍛錬のたまものかと。 滑舌も含めて、もっとやれる彼女たちの未来に期待します。 演出の大串到生くんはしっかりした考えを持った男の子。 柿のテイストを損なわないように女優たちと戦ったことと思われる。 制作力も見事で、え?と思うことがなく気持ちよく観劇できた。
これで、春の大学演劇起爆剤プロジェクトの3大学公演終了。 スタンプラリーの抽選景品で福岡女学院の方からのチョコレート詰め合わせをいただいた。 なんと!成清さんからの手書きのお手紙が入っていた。 誰に渡るかもわからない手紙に福岡の学生演劇の熱さを語ってくれていた、ジーン(TT)もちろん応援しますとも。。。  演劇をやっていく人も違う道に進む人もこの経験はきっと大きなものになるでしょう。
そしてこの日に公演を行った、観劇をした、そのことはきっと共通で忘れられないことになるだろう。 ときに情報過多になって、文句ばかりを言いたくなる状況ではあるが、やれることを粛々とやって行こうと思う。