「六月博多座大歌舞伎」 博多座

teru10162017-06-07


11時〜 5000円

八代目中村芝翫丈とその三人の子どもが、四代目中村橋之助丈、三代目中村福之助丈、四代目中村歌之助丈。
親子合わせて四人の同時襲名だった。華やか♪
まずは昼の部

一、車引(くるまびき)

三つ子の兄弟、松王丸(芝翫丈)、梅王丸(橋之助丈)、桜丸(福之助丈)はそれぞれ違う主君に仕えているけれど、
松王丸の主君藤原時平は梅王丸の主君を陥れたので無念がる梅王丸は、桜丸と一緒に、参詣帰りの時平を襲う。
時平の迫力に負けた二人、さらに松王丸に免じて許されたものの、決着は後々つけようと敵意を燃やす。
松王丸役の中村獅童丈が病気降板となったので、芝翫丈の代役となり、奇しくも四人共演の一幕となった。
ちなみに歌之助丈は杉王丸という時平の小さな舎人を演じていた。おかっぱで可愛い。
所作や衣装、メイクなどとても美しくて、見ごたえ十分だった。ほれぼれ〜〜

二、藤娘(ふじむすめ)

 藤の花の精が藤の枝を担ぎ、娘姿でつれない男心を踊る、そして飲めないお酒でほんのり酔った踊りは可憐で美しい。
いろんな役者が躍ってるけれど、尾上菊之助丈の踊りもこの上なく素晴らしい。
指先までの神経の行き届きは三階席からもよくわかる。

三、毛谷村(けやむら)

 人のいい剣の達人六助(尾上菊五郎丈)は、だまされて微塵弾正(河原崎権十郎丈)に剣術試合でわざと負ける。
自称許嫁お園や母お幸の話で、迷子の弥三郎は六助の師匠の孫だとわかる。
そして彼女らから聞いた話で敵とわかった微塵弾正に対し、敵討ちに出かける。
六助やお園のコメディチックな演技などが新鮮でおもしろく結構笑った。
敵討ちって不毛であまりいいイメージはないけれど、歌舞伎でみると正義に見えるから不思議だ。

四、河内山(こうちやま)

 坊主の河内山宗俊芝翫丈)はずるがしこくて質店上州屋で、木刀を質に五十両貸せと無理難題をふっかける。
そこで松江屋に奉公中の娘浪路(歌之助丈)が、主人の出雲守から妾になることを強要されたけれど拒んで幽閉されたと知る。
その救出を請け負った河内山は、僧道海と偽って松江家に乗り込み、腰元浪路を救い出す。
玄関先で正体を見破られるも、悪びれもせず開き直って啖呵を切って引き上げる。
毒をもって毒を制すというか、悪僧も使い方次第みたいなところが面白かった。

どの作品も非常に良かった、C席からは花道が見えないのが残念だけど、コスパは高い。