「オーデュボンの祈り」 世田谷パブリックシアター

teru10162011-10-09

13時〜 6800円 石井光三オフィスプロデュース
チケットを取ったのは確か8月、そしてそのうち原作(伊坂幸太郎著)を読もうと思ってて放置、直前1週間でダッシュで読み終える。 そのせいかあまりにも生々しく、しかも演出が原作にかなり忠実であったので若干のとまどい。 伊藤、日比野、優午、園山、ウサギ、桜、静香、他たくさんの出演人物もすごく記憶に残っていて、あーぴったり! えー違うかも、とか。 そもそも「柿喰う客」の玉置さんが観たくてこの作品を選んだのだけど、小説のあまりのおもしろさに舞台化が逆に大丈夫かな?と心配になった。  舞台は表現方法が限られている。  リアルな描写は特に難しそうだ。  それを映像などで補って上演されていた。  演出はラサール石井、彼の演出作品はたぶん初めて観るとは思うのだけど、役者さんにこれだけ舞台人が多く集まればおのずといい作品に仕上がるのかもしれない。 玉置さんの役は桜と城山。 しかし!!!まさか二役と思っていなくて、桜ばっかりを追っていた、ラスト近くで桜と城山が対峙する場面で映像が使われ、初めて気がついた_| ̄|○。。。。オチコミ。。。もう一回観たい。。 この作品の要は案山子の優午かもしれない。 伊藤は選ばれた者で結局は優午によって動いていたのだと思わされる部分がとてもあったし。 最初本物の案山子だった優午と筒井さんがするりと入れ替わるところは興味深かった。 なるほどね。 伊藤役の吉沢悠はとても可愛かったけど印象が薄くて残念。 日比野役の河原雅彦、ちょっとイメージが違うけど、やはり芝居は上手い! この人はオールマイティな演劇人だと思う。 次回はシスカンパニーの演出だよ?ぶったまげた。 ミステリーとしても未来がみえる優午がどうやって曽根川を葬り去るかという部分は「風がふけばおけ屋がもうかる」の言葉通りに次々と伏線がつながっていく事実がとても興味深かった。 結局殺人に加担したとしても最小限度の罪の意識で済むように、ということが優午の優しさ。 優午が生まれたとき(100年前)との対比もおもしろかったし、静香役にぴったりの美人でそして本物のサックス奏者の寺地美穂がいたということが素晴らしかった。 この作品のテーマに音楽は欠かせない。 それを録音された音楽でなく彼女の弾くサックスで表現できたことが感動をよんだのだな。 原作と舞台は違うのだ。 と理解していれば比べることもなく、いい舞台であったと思えるものだ。 私はこれをここで観れてとても幸せだった。