「るつぼ」 演劇書を読む会

teru10162011-10-19

19時〜 赤煉瓦文化館
アーサー・ミラー著の戯曲で1984年の全集2に所収。 薙野さんが若いときに読んで衝撃を受けた作品らしく、劇団民藝がかなり上演している模様だ。 普通の読み物としておもしろく、あっという間に読み終えた。 17世紀、マサチューセッツ州の田舎、セイラムで実際に起こった魔女狩りの話を基にして劇的効果を加味した作品である。 4幕あって、登場人物が多いのでそれを覚えるまでが大変だけど、それぞれのキャラクターが濃いので、数名の人物はかなり脳内イメージを作れた。 一神教の国では信仰が最も重要であり(ここではキリスト教)、閉じたコミュニティでは抑圧された人々の感情が各所で爆発して、それが基で魔女狩り大義名分ができたのではないかと。 きっかけは森の中で裸で踊っていた女の子たちが見つかったいいわけだとか、不倫した相手の妻を陥れるためとか、魔女のしわざにしてしまえるのがすごい。 普通にありえないことなのに、当時であれば、信仰を脅かす者=魔女 という構図を誰でももっていたのかな。 今回の参加は3人、私は相変わらず読み方やまとめかたが下手なんだけど、他の方の意見はとても おもしろく聞ける。 演劇関係の読書会なのであちこち演劇の話に脱線してそれもおもしろい。 かなり長くかかりそうな(3時間くらい?)戯曲なのであまり上演はされていないのではないかと聞いた。 民藝の舞台の記録はないようだが、映画化された「クルーシブル」はレンタルされているのではないかということ。 探してみようかな。 次回の課題本は「チェーホフの戦争」宮沢章夫著。12月第3週水曜予定です。