「工場S」 門司赤煉瓦プレイス旧サッポロビール醸造棟

teru10162011-11-23

14時〜 2800円 飛ぶ劇場
またすごい場所で公演をする。  作・演出 泊篤志。 事前に醸造棟の見学が行われた。 12年使われていないところなので活気はない、でもかつての活気を感じさせるかのような使い込まれた設備。 人の気配を感じさせる、かつてここで働いていた人たちの。 ほこり?対策のためにマスクが配られる。 あまり得意ではないけど防寒にはよさそう、顔の一部だけでも。 そのくらい風が冷たかった。 演劇とは全く関係のなさそうな工場関係者の方から工場を歩きながら20分ほどの説明を受ける。 でもお芝居につなげるべく「出るんですよね〜」って(?あ〜笑) 写真撮ると写りますよってサービス精神旺盛。 当時を想像しながら室内を進む、唯一の問題はヒールの細い靴を履いていったこと。 金網の土台の上ではさまってしまい、あせった〜〜  錆びたビールタンクにそっと触ってみるとぼろっと表面がはがれてあわてて手をひっこめる。 確実に劣化していくんだね。 お芝居は工場内の一室、装置を取り払った広めのスペースに観客席をくんで、作られていた。 アイアンシアターと同じで装置をそのまま舞台として利用している。 すごいところを見つけたものだ。 何か事件か事故があってここ、サッポロビール工場にかけこん男女3人。 女1、男2のこの関係性もおもしろかったけど、奥からわらわら出てくる人たちもなんだかおもしろい。 劇場パンフをなくしたようなので役名を覚えてないのだけど、製紙工場、麦酒工場、人参工場、兵器工場、ほか2−3工場が出てきた。 それぞれからなぜ逃げてきて、なにかを作っている面々もいる、よそから人を連れてくる人もいる、他の場所(階段を上った上の部分)で何かを書き続ける人もいる。 それぞれの今までの事情はわかっても、今なぜここにいるのかわからない。 想像するしかない。 工場には事故がつきものだ。 でもこれだけの数の工場が一斉に被害にあったとなると想像も難くない。。。 死んでもなお魂は工場(職場)にあるということは人生の重要な部分を職場で過ごしたということかな。 人参工場の人のように熱く仕事を語る人もいれば、ただのラインでつまらない、という人もいる。 私も2年だけだが某北九州の工場で働いていた。 ちょっとだけは工場人の気持ちがわかる。 芝居の前にここが閉館になるときまでずっとサッポロビールに勤めていたという方の話を聞いた。 穏やかそうなその方はとつとつと工場最盛期や終えんの時を語った。 いろんなことを下地にして工場Sが出来上がっていた。 飛ぶ劇場のメンバーがベテランと若者でいい構成になっている。 泊さんの好奇心もまだまだ衰えそうにない、次は何を観せてくれるだろうか?  余談、子供時代を小倉ですごした夫に帰ってここの話をしたら、「この工場、学校から見学で行ったことある、めっちゃ臭かった〜〜」 ま。。。体験はいろいろよね^^;