「満月の人よ」 大野城まどかぴあ

teru10162012-10-07

19時〜 2970円(まどかぴあ友の会会員料金) トム・プロジェクト プロデュース  
作・演出 東憲司
ももちパレスから続いてトム・プロジェクト プロデュース。 普通で観ても3500円の舞台だったのだけど、満席にならないな〜。  カーテンコールの池田さんの挨拶から入るのもなんなのだけど、「今年は3回きましたが、ここのほかは北九州で。北九州は熱心に呼んでくださるのですが、なかなか福岡市側は。。。」って。 うーむ。。。まどかぴあの大ホールは800人キャパ、後方に空席が目立った。
天狗様が出没する村に住んでいるトリモチ職人の達吉(村井國夫)は27年間に妻に逃げられた。 天狗の神隠しともうわさされたが、実は。。。 その妻早苗(岡本麗)が戻ってきて、一人息子の進介(池田成志)も福岡から戻ってきた。 母を恨んでいる進介はなかなかうちとけない。 それもそのはず、彼もまた妻の夏子に逃げられたのだ。 そこへ妙な女、満(川崎初夏)が天狗にさらわれたいと言って押しかけてくる。 わけありの様子を達吉と早苗は心配するが、進介はしらんぷり。 天狗祭りの夜には天狗が現れるかもしれないと期待をかける。 はたして天狗は現れたのだが。。。。。
天狗とかカッパとか龍神とかつちのことかネッシーとかサンタとかUFOとか、全部一括りにするわけにはいかないかもしれないけど、科学的根拠がないものは信じない性格だ。 でも夢を広げてくれるからきらいではない。 そもそも達吉にしろ、本当に早苗が神隠しにあったなんて思うわけがないし、家出したのはあきらかなのだ。 進介の反応や、満の自分は必要とされてないと考えてしまう性格のほうが現代的だ。 達吉のなんでも許してしまう性格もまた羨ましい限りだが、早苗の開き直った性格もおもしろい。 村井さんと岡本さんの呼吸がすばらしくて、これがベテランのなせる技だと感心する。 池田さんは上手い俳優さんだ、数回舞台で拝見しただけだが、33歳設定はちょっと厳しいけど若作りなので舞台ではOKかも。 川崎さんは降板した冨樫さんの代役。 難しい役だと思ったけど、そつなくこなしていたと思う。 ちょっと華に欠けるかな〜 線があまりに細いからね。 時代は昭和50年代、黒電話がけっこうキーになっていて、現代の携帯電話では表現できない味わいを出していた。 あー昔はそうだったねと懐かしい気持ちにも。 そこまで起伏のない(傍目には)ストーリーだったけど、天狗神話の神々しさはなんとなく実感できたし、それをうまく使った話に仕上がっていたと思う。 舞台装置も東さんらしく、紙垂(シデ)がたくさん花のように刺さっている戸外の部分。 ラストの満月の微妙な色合い。 本物の天狗か?という効果。 んーいいねぇ〜〜  それにしても、観客に若い人があまりいないな。 25才以下チケットとか発売してみてはどうだろうと思うのだが、営業的なことはよくわからない。 東さんの劇団の桟敷童子は若い人もくると思うのだけど。 もったいないと思った舞台でした。