「フラ+ふた」 FUCA BASE

teru10162013-10-04

19時半〜 1800円(戯曲集付き) 78 produce + 演玩カミシモ
アンデルセンの「赤い靴」を元にした2作品ということ。
漠然と思い浮かべる「赤い靴」・・・・ん〜〜解釈が難しい。。
繋がりはよくわからなかったけど、全く違う2つの作品を楽しんだ。

☆「とかげの」 作:宮園瑠衣子 演出:土橋淳志 出演:中村卓二、山口浩二
プラスティックのカップを伏せてすもうの土俵のようにぐるりと重ねている舞台。
説明が難しい。 そのまわりを歩いている2人。同じような動作をしながら声をかける。
博多弁? そうか宮園さんの作品は基本が博多弁だったな。
最初はわからなかったのだけど、どうも不倫の末に良心の呵責から生えてきたようなしっぽ??
これを切ってほしい男が散髪屋であり、おなじく不倫していそうな男に頼むというわけ。
この展開って現実ではありえないと思うのだけど、やりとりだけ聞いているとどこにでもありそうな会話で
そのギャップがおもしろい。結局しっぽは切られるのだけど、その前後でガラリとイメージが変わるのが怖い感じ。
とっつきにくい芝居ではあったけど、博多弁の和やかさと役者さんの上手さで引き込まれて観ることができた。
しかし。。。男って本当に浮気な生き物だね。。

☆「赤い糸の女」 作:上野敦子 演出:百瀬友秀 出演:立石義江、山下キスコ
2人の女、会話の様子や年格好から母娘のよう。
場面のイメージがころころと変わるのでいろいろ想像しながらついていったのだけど、
車を運転して墓参りに行く二人、具合が悪くなった母を看病する娘、罵倒する母、気弱な娘。
私に娘はいないので、自分と母の関係を思い浮かべる。小さいときから年齢を重ねていくうちに逆転する立場。
そういったものはすごくよく理解できた。もちろんお互いの情愛は不変なのだけども。そしてその歴史は繰り返される。
それにしても二人の演技は圧倒的だった。
立石さんってなぜこんなに力強いのだろう、そうして弱った状態も上手いし。小柄なのに舞台では大きく見える。
キスコさんのささやくようなセリフも良かった。こちらはこぼれおちる若さが堂々と見せる。 

あっと言う間の2作品で、せっかく演出家2人によるアフタートークがあったのだけど、風邪をひいて体調が悪かったので断念した。
帰って戯曲を読みながらいろいろ考えた。
赤い糸の女」のほうは上演内容と違う部分もあったような気がしたけど、読みものとしても面白かった。
若い二人のこれからがますます楽しみだ。