「黒んぼと犬たちの闘争」 甘棠館Show劇場

teru10162014-11-29


19時〜 2000円 福岡演劇工房

作:ベルナール=マリ・コルテス 翻訳:佐藤康 演出:菊永拓郎

菊永さんとは数年前に演劇書を読む会でお会いした。演劇の基礎はスタニラフスキーシステムであるという信念を持った方だった。
ロシアで数年勉強のち日本に戻って福岡演劇工房を作ったということだ。

作者はフランス人、世界中を旅していろんな経験を元に戯曲を書いたということだ。
南アフリカ共和国がかつてアパルトヘイトをしていたということくらいしか知らないのだけど、
今でも人種差別のようなものがあるのだろうか。

西アフリカの建築現場で亡くなった兄の遺体を引き取りにきたアルブリー。
フランスから婚約者レオーヌを連れてきた現場監督のホルン、その部下のカル。
崇高な意識の黒人アルブリーにレオーヌは惹かれていく。
飽くまでも自分本位なホルンと助平なカル。 全てが噛みあわないまま時間は流れていく。。

ストーリーはちらしにも詳しく載っているし、登場人物も4人のみ、それでも難しいなぁと感じた。
エンタメ好きの軽々しい私はそれぞれの役者さんから作品の意図を読み取ろうとしてみた。
犬ってフランス人のことなのか、可愛いイメージがあるけど、なんだろう権力に寄りかかるということかな。
アルブリーは武骨だけど男らしい。カルは軽率でいやらしい。ホルンだけは菊永さんがリーディング形式で
台本のセリフを読むだけだったのでイメージしにくかった。やはり役者を当てたほうが良かったのではないだろうか。
そしてレオーヌはまるであてがきかのように、自然派の伏見さんにぴったりだった。ちょっと可愛すぎだけど。
永遠の童女のようなしぐさやセリフ、あれは。。フランス語?? 悪態をついているのだろうな〜と思わせるセリフもかわいい。
カルはいやな役だったけど私はかなり好きだった、好みというか。ちょっと注目したい。劇団天地所属らしい。
そういえば、カルが下水の中に入って死体を探した後、泥だらけ下着の格好で出てきたとき、客席の数人がくすくす笑い。
ここ笑う場面かな〜といぶかしく思ったけど、知り合いだったのかな。演技と関係のないところで笑われるとちょっとひく。

菊永さんの演劇ということでスタニラフスキーシステムで勉強中なのだろうか。
もっとスタッフが充実すると舞台も映えるのではないかと思う。
でもスタッフ初心者らしき数名が一生懸命にあいさつしているのにはほっこりした。

キャスト

ホルン:菊永拓郎
アルブリー:高田一彦
レオーヌ:伏見美穂
カル:小山椋汰