「レ・ミゼラブル」 博多座

teru10162015-07-26


12時〜 17時〜 15500円 

製作 キャメロン・マッキントッシュ
演出 ジェームズ・パウエル 演出補:エイドリアン・サープル
今回の日本公演はエイドリアン・サープルがメインだった模様。
他にも山のようなスタッフが・・ いつもながら海外ミュージカルのこのクレジットには驚く。

時間がとれなくて、少しでも時間を節約して多くのキャストを見ようとこの日にマチソワ観劇。

2年前の新演出とほとんどキャストは同じだったのだけど、演出はさらにパワーアップしていたように思う。

2004年から観ているが、なかなか革命に対して入り込めなくていたけれど、
昨今の日本は平和ボケしている暇がないほど悲惨な状況だ。
レミゼでなくとも「民衆よ、立ち上がれ!」というセリフが現実と激しくオーバーラップする。
あまり演劇を観るとき苦悩しながら観たくないんだけどね。
ストーリーは省略して。。。

新演出に関して。
オリジナルの回る盆に慣れていたので最初は違和感があったけど、
映像の技術はたいしたもので、海上の様子、街並みの広がり、下水道の暗さ、得体のしれなさなど
さすが現代版レミゼだと感心した。前回に続いて2度目なのでスムーズに入ってきた。
かといってセットも省略されているのではなく、かなり細かい部分でリアルになっていて、
街並みのセットが左右に動いたり、ABCカフェやテナの店、プリュメ街の家の門など、より精密さが増していた。
本物のたいまつがいろんなところで登場して火って使って良かったんだっけ?とちょっと考えた。
そうそう、マリウスとコゼットの再会ではロミジュリやウエストサイドのように、バルコニーと下からのランデブー。
このシチュエーションって古風だけどなぜかいい感じだよね。
ただ、全体的にテンポが早い。わざとかもしれないけど歌も早くなっている感じだった。時短のためかな。

ぐ〜っと盛り上がる一幕ラスト、ブイ字に隊列を組むのが定番だったのがなくなったら寂しいなぁと思ったら
ちゃんと残っていたよ。それ以上に映像の効果もあったけれど。
それからバリケードでの戦い。ガブローシュもやっと帰ってきたときに打たれてアンジョの腕に落ちる。
それをひったくるように奪うグランテール。      泣けた。。。
そして自殺する人は欄干に登らなければ。。。
ジャベールの死はいつも苦悩に満ちている。映像とセットの組み合わせでさらに臨場感アップ。

落涙ポイント
ファンティーヌの死、母としての苦しみ、悲しみに共感。
エポニーヌの死、不運な人生の最後でやっと愛する人の胸の中に。
ガブローシュの死、体は小さくても男らしいガブ、安らかに。
アンジョルラスたちの死、まるで亡くなる瞬間に輝くように、スポットライトをあびて。
バルジャンの死、安堵とともに死ねるのは最高の幸せ。ファンティーヌ、エポニーヌと手を繋ぐシーンが好き。
まだまだ見どころはたくさんあるけれどやっぱり観ないとこの感動は共有できそうにない。
テレビや映画とは違う、舞台だけの感動。


主なキャスト(プリンシパル)について
バルジャン:福井晶一 前回より落ち着きが増して風格が備わった感じ。山口さんのバルジャンとは比べられないけどかなり好きだった。
      ヤン・ジュンモ 若いのかな? 日本語は流暢だし、歌もかなり上手かったけど演技が大仰なのがもう一歩。

ジャベール:吉原光夫 昔(四季時代)に比べてすごく体が締まってる感じ、演技もすごく良くなっている。福井さんとの息もぴったりだ。
      川口竜也 ジャベールとしては無難かな、顔が目立っていた^^;

エポニーヌ:昆夏美 笹本玲奈 共にエポニーヌらしく堂々と勇敢に、最高の歌だった。

ファンティーヌ:知念里奈 里アンナ いつの世も母は強し。バルジャンに唾をかけるシーンがなかったのも良かった。崇高だった。

マリウス:海宝直人 イケメンすぎる! 田村良太 可愛らしい感じ。 

テナルディエ:駒田一 初期からのキャスト?最高に上手い。KENTARO 踊りがいいなぁ〜テナにしてはかっこいいw

テナの妻:森公美子 もちろん、文句なし!! 昔よりさらにふくよかになった? 谷口ゆうな でかいよね〜〜・・・はい^^;

アンジョルラス:上山竜治 上原理生 革命のリーダーではあるし、イケメンなんだけど、インパクトに欠けるというか。

観ていないキャストも多いけど、吉原さんのバルジャンだけは観たかったなぁ。

9年前のキャストや演出と比べてあれこれ想いもしたけど、やっぱりレミゼはいい。もっともっと時代に則した形で続いていってほしい。