「海辺の伝説」 博多リバレインホール

teru10162016-11-26


19時〜 1800円 劇団大河

作:森 禮子 演出:佐藤順一

大河は最近観ていなかったけれど、中山さんが出演、佐藤さんの演出ということで観に行った。
舞台は西洋風の家の中、大きな食卓を中心におしゃれな家具や置物など。
ばぁくうの舞台みたいだ〜 やっぱりこういう感じは佐藤さんならではだ。

浜辺の異人館の家族は4人。女主人と長女、長男、次男。
チェーホフ桜の園を思い出す。ちょっと遠くをみている世間知らずの白沢夫人。
亡き主人がたくさんの遺産を残してると思いこんでいる。
金の亡者の長男信彦、愛すらもお金で買おうとしている。
神信仰に熱心な長女綾子だが、長男に知人のお金持ちの女性銀子を紹介して持参金を目当てにするなど、
ちょっと方向性があやしい感じ。
上2人と母親が違う次男勝介は反抗的で家を出ていこうとしている。
この弟役は中国人の役者さんのようで、途中で中国語でしゃべるシーンがある。アドリブかも?
いそうろうの女主人の弟の宗吉は微妙な立場なだけに、出ていこうともするがふんぎれない。
お金もないのに雇ったお手伝い喜代は昔からの憧れの家で手伝いができてうれしい模様。
そしてとうとう手文庫にもお金がないことが知れてばらばらになっていく。。。

設定がちょっと昔だけど、お金持ちが崩壊していく様子がうまく表れていた。
でも、なんともやりきれないもやもや感が残って消化不良気味。
いつの時代もお金が絡むと血の繋がりが余計にうっとおしくなるものなのかな。

若い役者さんは頑張って、ベテランと思われる役者さんは自然体でいい舞台を作り上げていた。

中山さんはこういうちょっとアウトローな役が本当にはまる。
夫人役の女優さんは初見だけど、いい味を出していた。
喜代役の根岸美利ちゃん、上手いなぁ!! キリエ役が素晴らしくてびっくりさせられた女優さんだけど、
ちょっともさっとしたさえない女の子をセリフや動作、衣装、メイクで表現。
いいね〜〜 ますますファンになりました♪

久々に佐藤さんにもお会いできて良かった。
またばぁくうのお芝居も観たいものです。

作者の森禮子さん、ちょっと興味を持って調べてみたら、福岡出身の芥川賞受賞の作家さんだった!
一昨年亡くなられていたけれど、他の作品も読んでみようかな。


キャスト(B)
白沢夫人  小貫薫
綾子    伊藤由紀
信彦    北島裕章
勝介    郭江湖
戸田宗吉  中山ヨシロヲ
井川喜代  根岸美利
集金人   杉洋介
電気工夫  丸亀耕平