「フォリーズ」 NTL(ナショナルシアターライブ2018)

teru10162018-10-23


3000円 中洲大洋映画劇場

取り壊し直前のワイズマン劇場に集まった、かつてこの舞台に出演していた人々たち。
彼らの思いを馳せる世界を描くミュージカル。(サイトより)

薙野さんに教えてもらったNTL。
シネマ歌舞伎とゲキ×シネは知っていたけれど、これは知らなかった。
かなり、良かった!素晴らしかった! フォリーズとは愚か者という意味かな?

最初に演出家ドミニク・クックのインタビューがあり、作品の背景などを述べられていた。
これは期待できるとわくわくした。

若かった舞台人が30年後の同窓会に集まってきた。 50。。60.。70くらいの人もいるようだ。
さすがに元俳優なので、ドレスやメイクもばっちり、体型や外観は。。。それなりで。

本編中心となるのは2組の夫婦。どうやらパートナーと上手くいっていないようで、昔を思い出している様子。
そして実際に若い頃の彼らを演じているのが今現在の若い俳優たち。
いや〜この演出がすごかった。時間をまたぎながら同じ動作や演技、あるいは心情吐露など。

そして、再会にあたって揺れ動く気持ちがとてもよく表現されていて、のぼりつめた感情が破裂する様子がよくわかる。
しかし、冷静になるのも年令を重ねた結果で、最終的には・・・

この2組の夫婦以外もほとんどが2人1組のキャスティングで、最後はどの人とどの人が同一人物か完璧に分かった。
ソンドハイムの音楽も長い時間の流れの中で再現される、ステキだ。

若さゆえの愚かさ、年齢を重ねたうえでの愚かさ、そうだった、そうだったと俳優でもなんでもない私ですら納得してしまう。
胸に沁みる作品だった。ワンシーン、ワンシーがすばらしくて、観客と一緒におもわず拍手したくなったのは私だけかな〜
もったいないことに10人にも満たない映画館の観客だったけど、もっと多くの人が観れるといいな、と
最近あまりやらなくなったSNSに投稿してみた。 ちょっとだけ反応があってうれしかった。

若いときには考えもしなかった老い。やっと実感するようになって、それでも人間らしく生きていきたい。
そして、若い人には今しかできないことをどんどんやっていって、と応援する気持ちが湧いてきた、
そう考えさせられる作品だったかな〜 幸せな気持ちでほっこりして帰途につき、
他のNTLの作品も観てみようかなと思った。どうかな〜?

それにしてもサリー役の人は可愛かった、理想のおばあちゃんだな〜


原題:Follies / 尺: 2時間35分(休憩なし)
上演劇場:ナショナル・シアター オリヴィエ劇場
脚本:ジェームズ・ゴールドマン
音楽:スティーヴン・ソンドハイム
演出: ドミニク・クック
出演:イメルダ・スタウントン、トレイシー・ベネット、ジェイニー・ディー