「DAIKU GASSHOW plus D.C.」 早良市民会館

teru10162018-12-20


14時〜 2000円(先行) DAIKU project

作・演出 鶴賀皇史朗

音大出の慎之介は実家の寺が火事になったと連絡を受けてあわてて帰宅。
焼け落ちたお堂の再建に町のみんなが協力的だ。
そんなみんなと年末に第九を歌うことに、最初はしぶしぶの慎之介だったが。。。。。

1999年の話しとあって、スマホでなく携帯電話だし若者語もさっぱりわからないが、
ちょっと昔の話しは懐かしい。このころって就職難の時期だっけ。。とか思いながら観ていた。
慎之介を含めて周りの人々が非常に愛すべき変人ばかりでめちゃくちゃ面白い作品だった。
役者さん自身のおもしろさもあるのだろうけど、作者の意図するキャラクターがぴったりはまっていて、
この人以外できないでしょ!とツッコミたくなる。←ほめてます。

慎之介はIS(インターセクシャル)の設定。確かに中性的ではあるがどちらでもという設定に驚く。
てっきり女性寄りだと思っていた。 SOくんって役者?タレント? 実に可愛い♪
ジェンダーの話題もタブーにはならない世の中にはなったけれど当事者の葛藤はやはりまだあるだろう。
そういう人の励みになるといいなと思う。

劇中に登場の合唱団「こぶし」のみなさんは実際にカルチャースクールなどで歌っている方々。
こういう場面で出演するっていいよね。市民劇の感覚がある。
このくらいの時間の入れ方だとバランスがとれてとてもいい感じ。
素人さんの出場が多すぎると、芝居ファンとしては物足りなくなるので。
ただ、あのぱらぱら出てくる感じはゲームの真似らしいけどさっぱりわからず^^;

伝説の宮大工「東海稀一」の話はよく理解できずに、最後はちょっと場違いっぽいエンディングだったけど、
あの中年役者さんがかっこよかったので○ 長島宏さん。
その弟子の3人のとぼけ具合はすごく良かった!

それにしても、お堂が実際に舞台上で再建される過程とかを観ると、実際の舞台道具の緻密さにおどろく。
宮大工って釘を使わない手法だけど、まさしく作ってはバラシの演劇の舞台装置ではないか。
しかも公演が終われば壊される運命だなんて。。。究極の建造物だな。
これからは心して演劇の舞台を見なければいけないなと思う。

冒頭に篠崎さん役のささもとさんが開演ギリギリにやってくるというハプニング。
まさか演出じゃないよね〜? 
ライブ撮影者も公募していたけれど、南無サンダーの安部さんが付き添っておられましたw
面白いなぁ〜

他にも慎之介の深層心理の中のバッハやベートーベンとか小料理家さんのがめ煮とか、
細かいエピソードにも凝っていて、本当にコスパいい作品だった。

また鶴賀さんの渾身の作品を観たいものだ。

キャスト

SO(IsTaR×SOUL9/J-ONE)
中村公美(CAPRI)
バンカヨコ(劇団夢工房
福澤究(office・SUN9)

長島宏(劇団さんぽ)
中島信和(兄弟船)
栗野直樹(劇団ショーマンシップ)
高見慎一郎

国武彰
ささもとじゅんこ(The Jugons)
坪内陽子
鶴賀皇史朗(CAPRI)
松本美樹(劇団夢工房
山口浩二(劇団 轍 WaDaChi)