「反射する惑星」 ぽんプラザホール

2019年9月27日(金) 

19時半~  2500円 ヒカリノオト

作・演出 松岡伸哉

と、ある日から。
私たちの世界は原因不明の感染症に襲われている。
それは何の前触れもなくある朝目覚めると
「五感」の一つを失ってしまうというものだ。
人々は嘆き、苦しみ、争い、秩序は崩壊し、世界は確実に終わりに向かっている。
しかし私は、死を待つばかりの老いぼれだ。
行く場所もなく逃げる場所もない。私はこれまで通り、
私の生活を続けていくしかない。

人が人でなくなる。
戦うでも逃げるでもなく、それでも『自分の日常』を続けていく。
そうすることを選んだ。そうするしかない。
そんな人々が織り成す、衝撃のヒューマンストーリー。
(ちらしより)

ちらしのストーリーからSF的なものを想像していたけれど、
そういう未確認の原因とかの追究ではなく、そういう事態になったときの
人間のあり方、みたいなものを見せてもらった。

「五感」がなくなることと家族や近くの人たちとの人間関係は
関係がなさそうな感じで、もちろん心配はするのだけど、そういうことさえ
些細なことだと思わせるような歪んだいびつな人間たちというか。

再婚の相手を殺すなんて、ぶっとんだ展開にちょっと驚いたけれど、
包丁を振り回すシーンなどは迫力があった。
ただ、なぜそういう事態になったのかの説明はあまりなかったので、
想像するしかない。
愛情のない性的行為の設定もわかりにくい感じだった。

唯一、すごく腑に落ちたのはニートの息子を抱える母親の気持ち。
突き放したいのに突き放せない血の繋がり。
すごく胸が痛い感じだった。
息子を殺した某事件を思い出した。

全体を通して暗くて、言葉が暴力的でちょっとめげる。
以前のヒカリノオトの方が好みだったかもしれない。

キャスト
愛    立道心
生子   杉山英美
正    梅田剛利(劇団翔空間)
悦子   峰尾かおり
春樹   中島荘太
誠    白川宏治(ユニットれんげ)
美羽   水谷文香(劇団HAっHAー!!)

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