「ミュージカル 『生きる』」 久留米シティプラザ ザ・グランドホール

2020年11月21日(土)

12時~ 13500円  HORIPRO 黒澤明生誕110年記念作品

作曲&編曲:ジェイソン・ハウランド
脚本&歌詞:高橋知伽江
演出:宮本亞門

無為に日々を過ごしていた市役所の課長が、胃癌で余命幾ばくもないことを知り、
己の「生きる」意味を市民公園の整備に注ぐ姿が描かれている。
(サイトより)


いつも思うけど、久留米は遠いなあ~~
というのもナビでは30分で着くはずなのに、ゆうに3倍はかかってしまうので。
今回も余裕を持って出たはずなのに、冒頭の5分を見損なった。
次回こそはもっと余裕を持って出よう。

客席についたときは役場内での歌と踊りの最中だった。
和製ミュージカルにはなかなか慣れないけれど、
役者のうまさですぐに物語に入り込めた。
市村さん、地味な登場だけどオーラを放っているのですぐわかる。
ひと昔前の役場の様子がやたらとなつかしくて、妙なところに注目していた。
しかし、たらいまわしにされるのはあまり今でも変わってないような。。。。

そして病院で深刻な病気の告知がないのも昔の話だ。
これが喜劇だったら「勘違い」で笑い話になるところだけれど、
このお芝居ではリアルに勘治に突き刺さっていく。
余命わずからしい、という漠然とした情報ははっきりと知らされるより
苦しいものだと思う。だますなら徹底的にだましてほしい。

そんな苦悩の勘治は小説家に会ってから変わっていく。
余命を自分ができることに使いたいと思うようになり
家族や周りから疎ましがられても実践していく勘治に胸が詰まる。
歳を重ねてくるとこういうお芝居には自分を重ねてしまうのかな。

売れない小説家の存在や元同僚の女子社員との淡い恋心は、
今でもそんなことあるのかな~というくらいレトロな感じだ。
男手ひとつで子供を育てるということも当時としてはレアなケースかな。
かなり古い作品で現代ではありえないこともあるけれど、
「生きる」意味を模索する作品で観客に訴えかけてくる。

しばらく放心状態で久留米は遠いな~という不満もなくなって、
観てよかった、という満足感に浸った。本当によかった、感動した。
鹿賀さんバージョンも観てみたい。


キャスト
渡辺勘治 役(ダブルキャスト
市村正親 鹿賀丈史

渡辺光男 役
村井良大

小説家 役(ダブルキャスト
新納慎也 小西遼生

田切とよ 役 / 渡辺一枝 役(ダブルキャスト
May’n 唯月ふうか

助役 役
山西 惇、他

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