MODE×青春五月党「魚の祭」 福岡市立中央市民センター

2023年1月19日(木)

19時~ 演劇の映像を観る会

柳美里出世作であるこの戯曲は、1992年にMODE×青春五月党で初演され、
翌年、柳美里が第37回岸田國士戯曲賞を史上最年少の24歳で受賞した。

(あらすじ)海辺の断崖で記念写真を撮る家族。
あれから16年。父と母は別居し、二男二女の子どもたちも別々に暮らしていた。
ある日、ビルから転落死した次男の葬式のため、12年ぶりに
集まることになった家族は、彼の部屋でバラバラに引き裂かれた
16年前の家族写真と日記を見つける。
(薙野さんのレジュメより)

初演の作品をテレビ放送されたものを観た。
暗い舞台、暗い内容だけど、いかにもありそうな家族設定が妙に気になった。
柳美里の原体験が反映されているらしい。
夫婦と4人の子供。それぞれの状況や体験を考えると、なんとなく理解できる。
ただ、母親だけがどうにも理解できなかった。
自分や周りの母親と比べても、少し一般的ではない感じがした。
一緒に住んでいた末っ子が事故死してもこの無感情な様子。
かと思うと、何年ぶりかに戻ってきた子供らや父親には嫌味を言ったり。
葬儀では喪主の妻として表面的にはとても親戚たちに訴えるものはあった。
末っ子は自殺でなく事故死なのか、切り取られた家族写真はなぜか。
いろんな疑問がわいてくるが、結局家族全員が集まるには自分が死ぬしかない
みたいな理由がわいてでてきた。
その後どうなったかがわかりにくいけど、いろいろ考えさせられる作品だった。

演劇の映像を観る会は、奇数月の第3木曜日に開催しています。