「兎、波を走る」 博多座

2023年8月26日(土)

13時~  12000円  NODA・MAP第26回公演

脚本・演出 野田秀樹

2023年、野田秀樹率いるNODA・MAPが遂に2年振りの
書き下ろし最新作を上演する。新作のタイトルは、『兎、波を走る』。
何やら新鮮で、心をざわつかせるような、不思議な響きのタイトルを野田秀樹
打ち出して来た。実はこのタイトル、野田自身、とても気に入っているらしい。
このタイトルから、日本古来のことわざや、「因幡の白兎」を思い出す方も
いるかもしれない。
果たして、本作の“兎”とは、いったい何を表しているのか?
そして野田は、どんな企みを『兎、波を走る』に仕掛けてくるのか?
野田曰く、物語の設定は、「“潰れかかった遊園地”を舞台に繰り広げられる 
“劇中劇(ショー)”のようなもの」だという。そして、そこに
“アリス”が登場するというのだ。
(公式サイトより)

観る前からわくわく、今回はどんな驚きを見せてくれるのか?
やや、キャスティングが豪華すぎて、物語を見失ってしまいそうだったけど、
決して喜劇ではない、重い重い作品だ。
大倉さん、秋山さん、山崎さんらのギャグやアドリブや、
初参加の大鶴さんの焦り具合。いつもの言葉遊びやアナグラムの数々。
そして、一生さんの驚くほどの体力と精神力、演技力。
それに負けない、松さんと多部ちゃん。加えて美しさと可愛さの競演。
俺が出なくてどうする?と言わんばかりの野田さん。
もう、このスピード感、息をつく暇もなかった。

未解決事件なのだ。長い長い時をかけてもまだ未解決なのだ。
野田さんはどんな思いでこの作品を作ったのだろうか。
問題提起としての作品であることはわかる。それだけに伝わっただろうか。
以前、戦争のテーマの作品では生前の話ではあっても、二度と行っては
いけないという説得力があった。
同年代の観客はわかっているような感じがした。
野田さん、まだ作ってほしい。伝えていかなければならないことを。
パンフレットではAIに関しての対談が面白かった。
これからはAI芝居?とかも出てくるのだろうか?

そうそう、菊沢将憲さんがスウィングとしてパンフレットに名前があった。

キャスト、
脱兎     高橋一生
アリスの母  松たか子
アリス    多部未華子
元女優ヤネフスマヤ   秋山菜津子
第一の作家? 大倉孝二
シャイロック・ホームズ 大鶴佐助
東急半ズボン教官/第三の作家?  山崎一
第二の作家?   野田秀樹