「九月博多座大歌舞伎」 博多座

2023年9月14日(木)

16時~  20000円  松竹(株)

十三代目 市川團十郎白猿襲名披露
八代目 市川新之助初舞台

夜の部

一、 鞘當(さやあて)

よく聞くことばだけど、あまり意味をわかっていなかったな、と驚く。
語源は武士同志がすれ違ったときに刀の鞘が当たって、言い合いになること。
不破伴左衛門(芝翫丈)と名古屋山三(愛之助丈)が吉原の遊郭前で
鞘が当たり、さらに傾城葛城を巡っての因縁で決闘になるが・・・
舞台は奥を小さく書いて遠近法を使った、広い仲之町の様子。
深編笠で意気な着物の2人を止めるのは茶屋のお松(孝太郎丈)
短い1幕だけど、見ごたえがあった。

二、 襲名披露 口上

ずらりと重鎮がならんだ中に堂々たる風情の團十郎丈、新之助丈の親子。
三升の紋の入った渋柿色?の裃がとてもお似合い。
重厚ながら楽しく愛情にあふれた口上の数々を聞いたのち。
最後に團十郎丈が成田屋独特の「にらみ」を行った。
「ひとつ睨んでご覧にいれましょう!」 かっこいい!
にらまれたら、風邪をひかないそうで、観客は全員こいこい状態w

三、 歌舞伎十八番の内 暫(しばらく)

最初から役者総出のにぎやかさ、後方に悪者連中、前方に善人連中と美しどころ。
中央の清原武衡芝翫丈)は自分の気に沿わない者を殺そうとする。
そこへ「しばらく、しばらく」の掛け声、鎌倉権五郎景政(團十郎丈)の登場だ。
いや、そのいでたちのすごいこと。三升をかたどった大きな四角い袖、
長袴の下にはおそらくかなり高い履物、そして大太刀、すごい。。
転ばないかと心配になるw
みなを無事に逃がした後の太刀捌きや六方は魅力たっぷりだった。

いつもはお腹いっぱいになる歌舞伎なのだが、今回は口上があったせいか
ちょっと物足りない感じもした。次回の歌舞伎も楽しみにしていよう。